コーパス現況

 このブログのトップにあるエントリー「本ブログの構成」を改訂することにした。あらためて全体を見直すとどうも最近はこのブログを作った初心を忘れてしまったのではないかと思える。今何を考えているかも重要だが、このブログの最大の目的は自分の考える「方言コーパス」を世に広めることだ。最初にこのサイトを作ったときは確かにそのつもりだった。それと同時に2015年16年に徳之島に滞在したときのあれこれも残したかった。ところが現在のこのブログは肥大化してその性格がぼけてしまった。老い先短い身の上で伝えたいことがたくさんあるのに媒体は今のところこれしかないので仕方のないことではある。
 ただ、「方言コーパス」は依然として最大のテーマなので、できるだけこのカテゴリーのエントリーを書くことにしたい。方言の研究者でパラレルコーパスでない、本来の方言コーパス(パラレルコーパスなんて邪道だ。ああ言ってしまった)をやろうとしているのは関学のヘファーナンさんと私しかいないらしい。何とかして仲間を増やしたくて躍起になっているのだ。
 仲間がいないとどうして困るかと言うと、孤立していたら論争も刺激もないからだ。論争は学問を進歩させる。刺激は停滞から救う。それだけでなく、本当に方言コーパスをやろうとしているのが二人だけだったら、私が死んだらどうなってしまうのか。
 仲間ができにくいわけは知っている。方言コーパスに触るためにはプログラミングの能力が必要だからだ。でも、それは今や気の利いた小学生だったらできることになっている。むしろ、このご時世で方言研究者のほとんどにプログラミング能力がないことのほうがおかしい。
 国研の推進しているパラレルコーパスでない方言コーパスには国研の大部分の(ということはパラレルコーパス以外の)コーパスに可能なことが同じようにできる。何ができるか想像がつきやすい。だからヘファーナンコーパスでできることは勘のいい人だったらいくらでも思いつくはずなのだ。簡単に言ってしまうと実際の言語使用に基づいてある表現が現在も生きているのかそうでないかを知ることができる。手つかずの豊穣な大地が広がっているのにプログラミングのせいで誰も手を出さない。こんなにもったいない話はない。
 方言コーパスを操作するためのプログラミングはそんなに大したものではない。このブログの「私のコンピューター史1」で述べたように必要なことだけ覚えればいい。学習する側に熱意さえあればまるまる1日私が教えるだけでヘファーナンコーパスが操作できるようになるはずだ。
 全国どこでも出張して教えますと言いたいところだが、そんなことをしなくても今はスカイプもある、ズームもある。リモートでたぶん用が足りるはずだ。方言コーパスでできることはいくらでもある。夢を持ってほしい。冗談でなく、ヘファーナンさんのコーパスを使って何かをしたい人は私に連絡をとってほしい。私は天下の素浪人、時間だけはあるのでいつでもお相手します。スカイプは一日だけということにしておきますが。私のメアドはこのサイトにも書いてあるが、私の記事にコメントしても連絡がつきます。コメントは私が承認しなければブログには出ない、万人の目の前に出ることはないので、連絡めいたことをここにコメントしても結構です。
 徳之島方言コーパスの現況については別稿で。

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