エコな徳之島

 徳之島で牛糞とサトウキビの絞りかすを原料にしたバイオガス発電が計画されているらしい。
 6年前に行ったときは牧草地が至る所にできていたが、その分肉牛飼育が盛んになっていた。サトウキビ畑と牧草地ばかりという印象なので島全体でバイオガスの原料は十分にあるだろう。牛糞は処理に困っているのか、集落の中で山のように積み上げてあったのも目撃した。お金を払って処理していたものが、ガスの原料として売れるのであれば農家にとってもありがたいことに違いない。
 徳之島の発電所は平土野港のはずれにある。発電所の前に停泊したタンカーから給油するためなのだろう。燃料の重油の輸送料は高くつくし、小規模の発電所は効率が悪い。島のエネルギーは島内だけでまかなったほうが得なのは自明だし、世界遺産の島として環境に配慮したい。
 バイオガス発電で島内の需要をすべてまかなえるのかは不明だが、成功することを祈りたい。太陽光発電とあわせれば十分すぎるぐらいの電力になるはずだ。
 話は飛ぶが、天城町(徳之島を構成する三つの町の一つ)は最近、「アマパゴス」として売りだそうとしているらしい。アマギとガラパゴスを組み合わせた造語だが、悪い冗談としか思えない。八景島シーパラダイスでもアマパゴスの展示があるし、もちろん町のホームページでも「アマパゴス移住」のような形で使われている。
 前にも書いたが、世界遺産の島であることをこんな形で利用するより、どうしたら動植物の環境を守ることができるか真剣に考えてほしい。
 原生林が残っている天城岳と井之川岳をつなぐ回廊部分を町が買い取って畑を林に戻すぐらいのことをすべきだし、農地の開墾がこれ以上進まないようにするのも大切なことだ。
 このままでは危機遺産にすぐなってしまう。専門家の意見も聞いて生態系が守るてだてを町全体そして三町(天城町、徳之島町、伊仙町)全体で考えるべきだと思う。

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