外苑開発と絵画館(訂正記事)

神宮外苑の開発計画で絵画館が消えるようなことを書いたが、これは間違いだった。もし、私のブログで誤った情報をそのまま受け取った人がいてそれを他の人に広めるようなことがあってはまずいので、間違いに気がついた今急いで訂正の記事を出すことにする。

神宮外苑の再開発で絵画館をなくすことはない。そんなことをしたら外苑の存在意義にかかわる。今年の5月17日のウェブ版朝日新聞の記事に外苑の現状と2036年完成時のイメージの図が掲載されている。改めてこれを見ると絵画館は完成イメージでもちゃんと残っている。私の早合点で申し訳ない。
外苑のイチョウ並木がまっすぐ向かうところは絵画館で、グラウンドに遮られて絵画館に到達しないのだが、内苑の参道にあたるものがここではイチョウ並木であることが外苑の建物配置図を見ると分かる。だとすれば絵画館は内苑の神殿に対応するものということになる。絵画館は一般の神社と同じように森に囲まれている。絵画館は神宮外苑の中核施設であることが分かる。開発のイメージ図によれば絵画館の周辺は手つかずで残されるようだ。
反対の声が大きい樹木の伐採は主にグラウンドの周辺で行われる。グラウンドは何面ものテニスコートになり、外苑の縁には4棟のビル(高さ190m,185m,60m,80m)が建つ。グラウンド全体の形状は楕円で、西洋式庭園であれば噴水のある広場があるような位置関係だが、テニスコートをやめて広場にしたらどうなのだろうか。
ビル群の近くには野球場(今の神宮球場の後継)ができるのだが、これがイチョウ並木すれすれのところに計画されている。イチョウ並木の一部が枯れかけていると報道されているが、工事が始まれば地下水の流れが変わるのだから全然不思議のないことだ。
外苑の木は樹齢が100年近いものが多いのではないだろうか。若木と古木では生き物にとっての意味が全く異なる。大きな木は鳥にねぐらや巣にできるうろを提供する。古い木を切ったら鳥にとって貴重な居場所がなくなってしまう。
計画全体について私が個人的に思うことはある。こんなにビルばっかり建てなくてもいいじゃないかというのもその一つだが、開発計画でお金のにおいがぷんぷんするのが気に入らない。外苑の精神ってこんなものなのだろうか。
問題が表面化してから土地の所有者である明治神宮は全く表に出てこない。神宮にしてみれば自分の土地をどうこうしようがこちらの勝手だということなのだろう。議論の場に出てくれば、計画の変更を迫られるのが目に見えているから最初からそんなことはしない。
今回の問題はそこなのだろう。東京の住民は外苑が公共のものだと思っている。神宮が土地の大部分を所有しているなど考えもしていなかったはずだ。ところが、土地の所有者は自分の土地の処分で都民に相談しなければならないなどとは夢にも思わない。この食い違いは大きい。

 

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カテゴリー: 雑文

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