Wenkerの調査票(続々)

 同タイトルの3本目の記事になる。我ながらしつこいと思うのだが、「ドイツ言語地図」はそれくらい重要なのだ。回収された調査票が5万通もある方言調査は前代未聞であるし、ジリエロンの調査と並んで言語地理学の源流でもある。 まず… 続きを読む Wenkerの調査票(続々)

蝙蝠の弁

 学生のときに妙に博識な先輩が「私は鳥なき里の蝙蝠(こうもり)みたいなもので」と言っているのを聞いて「そんな言い方があるのか」と思ったものだった。辞書に載っている意味は「実力のないものばかりがいるところでほんの少しだけ実… 続きを読む 蝙蝠の弁

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カテゴリー: 雑文

草萌ゆる島

 家から海岸に出る道の途中に牧草地があった。5月の末近くに島に来たとき、そこは小さな草が一面に生えていて、赤い地面も見えていた。毎日通るたびに目に見えて草は生長しているようだった。ひと月もすればびっしり茂って地面は見えな… 続きを読む 草萌ゆる島

Wenkerの調査票(続)

「Wenkerの調査票」なる記事を投稿したのは、『ルクセンブルク言語地図』を調査している過程で調査文に遭遇して「これは儲けもの!」と思ったからなのだが、ちょっとショックなことがあった。 実はウィキペディアドイツ語版に&#… 続きを読む Wenkerの調査票(続)

『徳之島方言二千文辞典改訂版』付属DVD

 2009年発行の科研費報告書につけたDVDの中身である。当時200人以上の方にお送りしたと記憶しているが、研究者として新しい方はお持ちでないことが多いと思う。 岡村・沢木・中島・福嶋の制作によるマルチメディアDVDであ… 続きを読む 『徳之島方言二千文辞典改訂版』付属DVD

徳之島二千文

「方言コーパス」のカテゴリーの記事で取り上げる研究が主に材料とするのは「徳之島二千文」である。いろいろな論文で「徳之島二千文」が言及されており、このサイトでも話題の中心になると思われるが、この名前の書籍があるのではない。… 続きを読む 徳之島二千文

島唄

奄美の島唄は沖縄民謡とは違う。琉球音階ではない(徳之島より南の与論島は琉球音階らしい)。全くの素人が耳で聞いて沖縄の島唄との違いがはっきりと感じられるほどである。同じような三味線(奄美の楽器は三線とは言わない)を使い、雰… 続きを読む 島唄

つながる

「共通の友人」という言い方がある。その第三者をふくめて三人が旧知の間柄であることが普通だが、ときどき「えー、あいつ知ってるの?昔一緒に遊んだんだよ」というようにお互いにその第三者と知り合いだったことを知らないことも起きる… 続きを読む つながる

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カテゴリー: 雑文

『日本語二千文』

「徳之島二千文」の説明をするまえに『日本語二千文』(1971年早稲田大学語学教育研究所発行)の説明をしなければならない。 この書の著者はアンリ・フレ(Henri Frei)、ジュネーブ大学のBailly(バイイ)の弟子で… 続きを読む 『日本語二千文』