オリンピックとウクライナ

しつこいようだが、オリンピック気分に浸れない。ロシアはオリンピック期間中にもウクライナに侵攻する構えを見せている。戦争になったらオリンピックどころではない。オリンピックが開会したときからきな臭かったが、今は本当にいつ始まってもおかしくない状態だ。この期に及んでIOCは全く動きを見せない。平和のためのオリンピックだったはずなのでIOCの会長がプーチンに働きかけをするのが当然だと思うが、そんなことをする気配もない。オリンピックさようなら。オリンピックに対する幻想は捨てた。
私の大学時代は東西の壁(これはwallの訳語で「塀」のほうが正確だと個人的に思う)が破れるはるか手前で、ソ連の専制的な強圧体制が永久に続くように思えていた。国際関係論のレポートでそのように書いた記憶がある。評点がどうだったかは忘れた。
それが1989年に壁が破れ、1991年にはソ連が消滅して歴史の転換点を目の当たりにした。これで専制的な体制がなくなったかに思ったが、それは間違いだった。確かに共産党独裁を標榜している国は旧ソ連の領域にはない。しかし、ソ連を構成していた共和国のうちアジア寄りの国々は民主政ではなく、個人が独裁する体制が多いらしい。ロシア共和国は選挙で国のトップを選ぶことになっているが、現実はプーチンの独裁で言論の自由はない。昔のソ連ほどではないが、専制的な体制であることに変わりはない。
アメリカは国民が豊かになれば自然に民主主義国家になるだろうと信じて中国と国交を回復した。だが、現実は違った。世界中を見渡したとき民主主義がまともに機能している国のほうが少数派だ。中国もふくめて専制的な国家が民主主義の国になる日が来るのだろうか。悲観的にならざるを得ない。

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カテゴリー: 雑文

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