徳之島にはスーパーが何軒かある。自転車で行ける平土野にはエーコープがあり、亀津には4軒ほどのスーパーがある。花徳にも食品スーパーがあり、伊仙にもエーコープがあるらしい。
平土野のエーコープは堂々たる店で食料品から日用品まで毎日の暮らしで必要なものはほとんど何でもある。ただ、不思議なことに「もやし」がなかったし、小麦アレルギーの私にとっての主食の一つであるオートミールがどうしても見つからない。この二つは島中どこに行ってもないのだ。オートミールは我が家から送ってもらうしかなかった。
トマト缶もあまり見かけなかったような気がする。これは、なければトマトジュースやトマトピューレで代用できるのでそれほど困ったわけではない。
エーコープは農協が運営しているスーパーなので、輸入食料品を売って日本の農家を困らせるようなことはしない。消費者ではなく、生産者のほうを向いている珍しい店だ。安い輸入牛肉を買おうと思ってもそれはない。
悪口を書いてしまったが、日本の過疎地はエーコープがあるおかげで大都市と同じ消費水準のものを享受できるのである。全国チェーンのスーパーが採算がとれないとして進出をあきらめたような地域で堂々と営業しているのがエーコープだ。
徳之島にはコンビニもある。2015年当時はエブリワンという名だったが、翌年運営会社が吸収合併されたことにともなってファミリーマートに改称した。
このエブリワンはそれぞれの店にキッチンがあり、パンを焼いたり、弁当を作ったりしている。名前が変わってもそこは変わらない。客も大部分はパンや弁当が目当てで来るようである。イートインコーナーもあって、学校帰りの高校生が軽食をとったりしている。
調理を必要とする肉や野菜などは置いていないが、手軽に何か食べたいときには便利だ。島にはそのような需要ができているということなのだろう。実際、深夜でも客は来るのだそうだ。
40年前は個人商店しかなかったのだから、スーパーもコンビニも大きな変化だ。あのころは東京でもコンビニは当たり前にあるものではなかった。